おチビな鴎ガール 2

発育不良〜理由〜 ページ32

井口side

何だか、大河がAの事で悩んでいるらしいと、岡田から話を聞いた。結婚もしていない、まだまだ自分の事で精一杯の大河が子育てなんて、そりゃ大変だろう。でも、何をそんなに悩んでいるのか、わからないから、それとなく聞いてみてほしいと言われたので、大河を読んで呼んで聞いてみることにした。


ガチャ

大河『失礼します。監督』

『おぉ。大河。どうだ調子は』

大河『まぁ、トレーニングや練習は順調です』

『そっか。ボチボチ練習試合も入ってくるから、調整しっかり頼むな。』

大河『…はい。』

『あと、Aの様子はどうだ？』

大河『…。まぁ、相変わらず…ですかね』

『何か、悩んでることあるか？間があったけど』

大河『…。たいしたことではないんで』

『大河、小さい事でも、話してくれないか？これから、シーズンに入っていけば、Aの事よりも、野球に専念してもらうことになっていくわけだし、大河が見れないときは、周りにいる選手が父親だったり、兄貴だったりになって、支えていかなきゃいけないんだからな』

大河『…。この前、3歳児健診にいきました。そこで、言われたんですよ。発育不良って。正直、自分のせいだって思いました』

『…大河。』

大河『…体の大きさは、3歳児の平均を大きく下回っているし、運動機能も1歳児くらいだと…。』

『…それで、焦ってご飯や運動をさせようと？』

大河『…甘やかして、辛い思いするのは、Aなんです。それに、昨年の何ヶ月の間に入院も何回もあったりで、皆さんにも沢山迷惑かけちゃいましたし…。』

『…大河。確かに、沢山心配はしたよ。でも、Aを通して、選手達は、いつも笑ってるし、支え合ってるし、何よりチームの雰囲気が格段に良くなってる。だから、迷惑じゃないな。むしろ、助けられてきたと思ってる。』

『…。でも、Aの為に…。』

『大河。焦るな。Aにもわかるように、少しづつ、体の為に考えて行こう。とにかく、1人で背負い込むなよ』

『…はい。』

そうはいっても大河は自分1人で抱え込む。このチームに必要だといったのは、俺だ。今後は監督としても先輩としても、しっかり気づいてやらなきゃいけないと心に誓った。

マクレ→←発育不良〜運動〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す