おチビな鴎ガール

兄の想い ページ12

嵩side


大河 『はい。あと少し食べよう。』

A『もう、ない。しゅーくん、あいしゅー』

そういう、Aは、半分も食べてない。大河が鬼に変わるまで、あと30秒。

大河 『これだけ食べたら、アイスあげるから』

A『やっ。にぃ、きあい。しゅーくーん』

大河 『Aっ。食べないならアイスもあげない』

A『ウッグスッ。グスン』

大河『あと少し、これだけ食べよ』

Aは、シブシブ口を開けてる

大河 『ほら、食べれた。頑張った頑張った』

無理やりご飯食べされて不機嫌なAは

A『しゅーくん。グスッグスン』
と泣きついてくる。

『ハイハイ。A。頑張れたね。アイス食べよ』

なかなか、食が進まないAと大河の攻防はいつもの事。でも途中で甘えさせる事はAの為にならないから、いつも悲しそうな目をされても食べれるまで、グッと我慢。時には途中で手を出したい時もたくさんあるんだけどね。

ご飯以外にも、大河の譲れないものはあんよ。本当なら運動発達の為に沢山歩かせたい。でも、Aにとっては、それが過度な運動になることもある。万歩計で管理して、体調をいつも気にする大河。本当にストイックなやつだけど、感心する。

まぁ、大河だって、最初からそうだった訳じゃない。施設から引き取った当時はデレデレに甘やかしていた、が、ある日大変な事態が起こり、それからの大河は変わった。

可愛い盛りのAに兄ちゃんとして沢山甘えてもらいたいのに、『甘やかす兄貴と父親、じいちゃんまで沢山いるからね。俺はAが無事に大きくなれるように敢えて厳しい兄ちゃんでいないと』そういって、大河は変わった。

少しは大河も俺らに甘えられればいいんだけどね、なんせガンコだからね。一度決めたら決心が固い。

結局、今日もAに、嫌いと言われ、『あとは頼むな』って先に部屋へ戻っていった。

本当は、大河が厳しくするとこを少しでも背負ってやれればいいんだけどね、俺も翔もそれだけは無理なんで 笑。こうして、拗ねたり、泣いたりした後のフォローに回ってる。

やっぱさ、ニコニコ笑顔で甘えてもらいたいから。

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