おチビな鴎ガール

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大河side

『井口さん。嬉しい申し出なんですが・・・


Aは、生まれつき心臓が悪いんです。そのせいで、もし、俺が一軍でとなった時に、関東近郊と宮城なら連れて行けますけど、飛行機には乗せられないので遠征は無理です。その時に誰がAの面倒を見るんですか？無理ですよ。Aにも寂しい思いをさせてしまうし。それに、ちょっとしたことで熱を出すから、心配で野球に集中できなくなりそうで。涙』


井口 『だからこそだろ。大河が面倒見れない時みんなで、愛情かけて、みんなで助け合って、だから
チームがまとまるんじゃないのか？ 実際、日ハムの子だって、喘息持ちだけど、みんなで助け合って、みんなで育ててるよ。もちろん、兄貴が1番頑張ってるけどな。とりあえず、俺は、半端な気持ちで考えてるわけじゃないから、大河も考えてみてくれないか？』


『わかりました。少し考えてみます』


井口さんの言葉はありがたかった。
Aも選手といると楽しそうだし。何より俺が嬉しい。でも、それは、外泊や外出という期間が決まっているからで、それが日常となるとどうなのか？ましてや、プロ野球という世界でやっていけるのか？考えても答えが見つからない。


丁度そんな時、日ハム戦でZOZOに谷口さんの妹ちゃんが来ていた。
可愛い。本当に天使だ。

いつもなら、遠目からみていたが、今日は近寄って行って、挨拶をした。

『こんにちは。』

妹ちゃん 『こんにちは(^ ^)』

キューーーーン。ヤバい。破壊力凄いな

後ろから谷口さんが、追っかけてきた

雄也『こんにちは。今日はよろしく。』
ってキュンスマイル。男の俺から見てもイケメンだって思う。

失礼かと思ったけど、谷口さんに聞いてみようと思った。

『谷口さん。僕に血の繋がらない施設に入っている妹がいるんですけど、井口さんから、谷口さんの妹ちゃんみたいにロッテで育てようっていってくれてるんです。でも、決心がつかなくて。』


雄也『うん。わかるよ。でも、僕には、迷うっていう選択肢はなかった。とにかく守ってあげなきゃって思って、稲葉さんが掛け合ってくれて、今ではホントありがたいって思ってるんだ。平沢くんもさ、ほっておくなんて選択肢ないんじゃない。ほんとはさ(^ ^)』

谷口さんは、そういってニコニコ笑ってる。
ほんとは、聞きたいこと沢山あったのに、その一言で、なんか吹っ切れたような気がした。

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