【おそ松さん】閲覧注意の短編集！ (ページ46)

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できるから　十四松ページ46

私の彼氏は何でもできる。

某アニメみたいに人を下敷きにして空を飛んだり体が巨大化したり関節が曖昧になったり姿形を自由に変える事もできる。

できるから心配なのだ。

多分私が人を殺せと言ったらどんな手をつかっても殺すだろうし、うっかり愚痴を言えば部長の身が危ない。

できるから怖いのだ。

ついさっき些細な事で口喧嘩になり、うっかり『一回死ね！！』と言ったきり帰ってこない。これは私が殺人犯になるのか。本当に死ぬのか。『一回』という単語をつけたから、彼はもしかしたら戻ってくるかもしれない。どうすれば。

「どーするゥ？」

後ろを見れば変わり果てた彼の姿。

爪先から頭の上まで一直線に皮がずりむけ、中の筋肉はところどころ千切れて骨が見えている。右目は落ちそうになっていたが、左目はもうない。髪は一本のアホ毛しかなく、半分頭がなくて、脳みそも少し液状になっている。腹の大腸か小腸かわからないが、そこから廃棄物が漏れだし少し茶色っぽくなっていて、肝臓はないっぽい。

「『一回』死んできたよ！！どーする？」

びちゃんともう一つの目玉が落ちた。此処まで来ると逆に驚かない。『取り敢えず元の姿に戻ろっか』そう言うと彼は「あーーーい！！」と嬉しそうに元の『十四松』に戻った。

できるから、愛せずにはいられないのだ。