哀れな俺の末路 一松 ページ45
『あぁなんて哀れなの？猫に餌をあげてやってるのに無視されてるなんて』
「…何？文句言うなら来ないでよ」
『文句じゃないわ。哀れみよ、哀れみ』
「…猫は犬みたいにただしっぽ振ってるだけじゃなくて、ツンデレみたいなところがあるから」
『あらそう。私は言うことを聞かない猫よりちゃんと言うことを聞いてくれるお利口な犬のほうがよっぽど好きだわ』
「そこらへんは個人の趣味でしょ」
『ねぇ知ってる？猫って味わからないらしいわよ。それなのに餌を食べないとか図々し過ぎない？こんな事も知らずに餌をあげてたんでしょ？本当哀れね』
「それを言うなら、哀って漢字には悲と違って同情が入ってるらしいよ。それなのにずっと哀れって言ってたの？」
『あら、貴方に口答えする勇気があったなんて』
「別に口答えしてなかった訳じゃないじゃん」
『私に逆らうなって言う事よ』
「自分の事を女王様だとでも思ってる？」
『少なくとも、貴方よりは上の地位だと思うわ』
「ニートにそれ言ったら終わりでしょ」
『そうだったわね。いい加減働いたら？』
「働く訳ない。働くならそれなりの目標が必要だし」
『そうなの？じゃあ、仕事見つけたら私、付き合ってあげてもいいわよ？』
「えっ、その、えっ…この…クソビッチ」
『貴方が女慣れしてないだけよ。女って言うのは、常に刺激を求めてるものなの』
「そういうのちょっとドラマっぽい」
『あら、月九あたり？』
「いや、火サス」
『失礼ね。…だけど、貴方らしい』
「その言葉も失礼」
『それじゃ、私明日も仕事だから』
「ん…おくる」
『それこそ火サスになりそうね』
「五月蝉い」
『それじゃお願いね。未来の彼氏さん』
「そ、そんなっあの、就活するとか、言って、ない、し」
『するんでしょ？』
「…する」
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作者名：梨松 | 作成日時：2016年6月14日 19時
