近くて、遠くて。 (ページ37)

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｢失礼しま～す....｣

ドアを開ければまたあの日のように窓際の机に座って
外を眺めている先輩がいた

『昨日ぶり』

｢今日も高地先輩たち待ちですか？｣

『そ』

｢なるほど｣

こっちおいでっていう先輩の手招きで
同じく窓際の席に座った

少しの沈黙、
変わらず外を眺める先輩の横顔を盗み見する

ちょうど夕日もかかっていて
消え入りそうなほど綺麗だって思った

｢....金髪、似合いますよね｣

『ん？』

｢サラサラの金髪、綺麗だなぁって｣

『....ただの反抗だけど』

｢え？｣

『いや？ありがと褒めてくれて、でも』

机から腰を下ろし、私に近づいてきた先輩

それだけで心臓の音がまた騒がしくなる

『Aちゃんも綺麗だよ』

私の髪を掬いあげて微笑んだ

『いいじゃん黒髪でストレートでサラサラで』

そのまま髪を撫でつづける先輩に恥ずかしくて俯いてしまう

『もしかして照れてる？』

そのまま顔をのぞき込む先輩にもう限界の私は
手で顔を覆った

『んははっ、ガチ照れやん』

｢恥ずかしいので、もう、これ以上は....｣

『わかった離れる離れる』

そう言って笑いながら元の場所に戻った

....心臓持たない、

深呼吸を繰り返す私を見てまた笑い出す先輩

｢もうからかわないでください！｣

『面白れぇんだもん』

この程度でタジタジになる私と余裕な大我先輩の差が
なんだか悔しかった

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