近くて、遠くて。 (ページ29)

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そこで会話は終了したと思って
お肉を食べていたら

『慎太郎には聞かねえの？』

って樹くんが言ってきた

｢聞かないも何も....｣

この前いるってこと聞いたもんなぁって

『俺はいるけど』

｢この前聞いたもんね｣

『え！？』

目を見開いてまた驚いた様子の樹くん

『え、慎太郎Aちゃんに教えたの』

『いるってことだけは』

『ひゅーひゅーやるじゃんお前～』

名前は絶対に教えないって慎太郎にも言われたし、
慎太郎の好きな子ってそんなに私に言うべきことではないのか？

｢心は知ってる？慎太郎の好きな子｣

『直接聞いたわけじゃないけど見ててわかる』

『俺は慎太郎に問い詰めて直接言わせた！』

『２人とも絶対言うなよ』

｢え、知らないの私だけ....？｣

『Aは知らなくていいから』

....なんでここまで私が仲間外れにされるんだ？

でも心は見ててわかったって言ってたし
私も慎太郎のこと観察してみようかな、なんて思ったりして

『やべ！風呂まであと２０分じゃん！片付けしねえと！』

樹くんの一言でのんびりした空気は変わって
みんなで協力して片付けをはじめた

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