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ある日の放課後、
この日は帰宅部の私は慎太郎の部活が終わるのを待たないといけなくて
どうせだから保健室に行ってみようかなって
「....いない、か」
もう放課後なわけだし
そんなタイミング良く会える方が珍しいもんねって自分を納得させる
保健室で会った日から1週間くらいが経ったけど
こんな私でも勇気が出なくて一度もここを訪れなかった
あの日大我先輩が座っていたソファに腰掛けて、
部屋の中を観察する
保健室の匂いとか、
なんとなくの非日常感が私は好きだ
__コンコン
中庭側の窓がノックされた
びっくりして体が震えてしまった
おそるおそる振り返る
そこにいたのは
「....大我先輩」
急いで鍵を開けた
『やっほ』
「お久しぶりです」
『ゆーて1週間じゃん』
「まぁ、そうですけど....」
中庭より校舎の方が高くなってるから
自然に大我先輩が上目遣いする形になっていて
まじで、無意識で、可愛いが過ぎる
『ってことは俺に会いに来たの?』
「友だち待つのも兼ねてます、」
『へー』
「....先輩から話しかけてくれるなんて思いませんでした」
『たまたま見かけたからね』
それだけでも自分を認識してくれたってことが
嬉しくて思わずにやけてしまう
『次....はGW明けになるのか』
「予約、してもいいんですか?」
『俺の機嫌次第だけど空き教室でいいなら』
「話したい....ので頑張ります」
『ふはっ、せいぜい頑張れ』
「え、」
眠いから帰るわ〜ってそのまま行ってしまった先輩だけど
初めて笑った顔みたよ、あんな優しい顔して笑うんだ....
保健室の中から先輩のいなくなった中庭を見つめる、
完全不審者スタイルで余韻に浸ってたとき
ドアの付近で物音がした
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作者名:ダイア | 作成日時:2021年4月11日 21時