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先輩の言葉の真意は分からないまま、
その後は2人で黙ってただ花火を見ていた
もちろんその間も、大我先輩は私の肩にもたれかかったまま
肩に感じる先輩の熱に、正直花火どころではなかった
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心配だし送ってく、って私の家までの帰り道
「....先輩、あの」
さっきのってどういう意味ですか、
なんて聞けるわけもなくて
『ん?』
「....あ、一緒にお祭り来られて良かったです」
『うん、俺も。楽しかった』
私のペースに合わせてゆっくり歩いてくれている先輩
もうすぐで家に着いちゃうなぁ、
この時間がずっと続けばいいのに、って心の中で思ってた
『次はもう新学期か』
「ですね、約1ヶ月後」
『んふ、寂しい〜って顔してるけど』
「そんなこと....!....ないわけじゃないですけど」
『俺も休み中にあんずちゃんに会いたいって思ったらどうしようかな〜』
「....わんちゃんならお家にいるじゃないですか」
『あんずちゃんはAちゃんのことなんだけど?』
拗ねたように口を尖らせて顔を近づけてきた
「ちょ、あのっ....」
暗闇でも分かる先輩の整った顔、
いじけたような表情に胸がキュンとなった
『....やべ、見られた』
かと思えば周囲を見渡してすぐに離れていった
『じゃあ帰るわ、また新学期』
「あ、送ってくれて有難うございました、
今日、ほんとに楽しかったです」
『ん』
来た道を戻る先輩の後ろ姿が見えなくなるまで見送る
....やっぱり先輩が大好きだ
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作者名:ダイア | 作成日時:2021年4月11日 21時