近くて、遠くて。 (ページ32)

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『まあ、シンプルに告白、だった』

『暗くて顔見えなかったんだけど相手は？』

『同じクラスの矢田さん、部活のマネージャーで』

『A結構仲良いよね？』

｢あ、うんそう、でも聞いたことなかったからびっくりした｣

矢田ちゃん高橋ちゃんって呼び合ってるんだけど
明るくて面白くて本当に良い子、大好きな子

慎太郎と話すところもよく見てたし
案外お似合いだなって思ったこともあったっけ

『それでなんて返事したの？』

『ふつーに、好きな子いるからごめんって言った』

『かっけーじゃん慎太郎』

『とか言って樹くん、
慎太郎くんはコロッとなびきそうとか言ってたんだよ』

『は？樹まじありえねー(笑)』

『や、だって告白されたらちょっとは気になんじゃん！』

『俺が何年....』

体育座りをして３人の言い合いを聞いてたら
急にしまった...という表情をして黙り込んだ慎太郎

｢どしたの？｣

『...いや！慎太郎の想いをみくびってた俺が悪い！』

『そうだよ、全部樹くんが悪い！』

『それは違うだろ！』

またはじまった言い合いを苦い顔で見ている慎太郎に声を掛ける

｢....矢田ちゃんには意地悪になるけど、
慎太郎が告白断ってちょっと安心した(笑)｣

『....どういう意味？』

｢慎太郎が離れちゃうの寂しいなって思ったから｣

『....Aってほんとに....』

そのままうなだれてしまった慎太郎

結局私たちはほとんど喋って星なんて数分しか見てないと思う

そして初めて、慎太郎が遠くなるのが怖いと思った日だった

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