unusual -2-

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いい感じの時間になり、ちらほら帰る人の姿も出てきた



…結局、先生が姿を現すことはなかった

普通に考えればそりゃそうだ

自ら退職したとはいえ、きっかけは“問題行為”
そんな先生が同窓会に呼ばれるわけは、ないか、





「じゃあ凛私もそろそろ」


『え、もう帰んの！』


「うん、樹が迎えに来てくれるから」


『わ、惚気だ』


言葉とは裏腹に嬉しそうな笑顔で私を見つめる凛

自分ごとのように幸せを感じてくれる凛に逆に照れくさくなる




『これからは週一電話ね』


「んふ、うん、わかった」


『で、私がここ戻ってきたら絶対遊ぶからね』


「当たり前すぎ(笑)」


まるで高校生のような会話をして凛と別れた







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11階にあるレストランから階段で下まで行くのはしんどくて
エレベーターのボタンを押す

タイミング良く、12階から降りてきたそれに乗り込んだ




…なんだかんだ良かったかもしれない、先生に会わなくて


私の不安も杞憂だったわけだし、

これで笑顔で樹の元に帰れるんだもん


樹もそれで安心してくれるに違いない




チーン、と無機質な音が鳴って1階に到着したことを知らせる

高いヒールをコツコツと鳴らし箱の外へ出た











扉の付近の小さなソファに腰掛けて、スマホを弄るその姿に

喉の奥がヒューとなった




「…せんせ、」


会わなくて良かった、ってたった今そう思ったばかりなのに

その姿を捉えるだけで胸が苦しくなる私は、












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