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「ん、もしもし?」
家に帰って、ベッドに寝転ぼうとしたところで樹からの電話が。
なんとなく、寝転んだまま話す気にはなれなくて
自室の窓を開けてベランダに出る
『今平気?』
「大丈夫だよ」
『凛ちゃんは?』
「あ…うん、もう別れて家に着いたとこ」
『そ?』
先生がいたこと、話した方がいいのかな
だけど話したら樹は嫌な気持ちになるに決まってるし…
『なあ』
「ん?」
『なんか今無性に会いてんだけど』
「明日…大学で会えるじゃんどうしたの」
いつもと違う様子の樹に戸惑う
こんなこと…今まで言ったことなかったし
急に無言になる樹に呼びかけると
少しするとスマホ越しに息を切らす声が聞こえてくる
『もう来てる』
もしかして、と思って手すりに乗り出し辺りを見渡せば
「樹……」
近くの電柱にもたれかかって私を見上げる樹の姿
適当にお母さんに理由をつけて、
慌てて家を飛び出した
『走りすぎだろ(笑)』
「だって、っ、急に来るから」
『わり、車で来ればドライブとかできたんだけど
生憎なことに歩いて来ちゃったもんで』
「なんでそんな急なの…」
『会いたかったから以外なくね?』
ポケットから手を出して私の指と絡める樹
“たまには散歩もいいっしょ”って
もはや強引に連れ回される
いつもは汗ひとつかかない樹の首筋が軽く汗ばんでいて
ぶっきらぼうさに隠れた想いに胸が痛くなった
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ダイア(プロフ) - haikiさん» haikiさん、コメント有難うございます!!少しづつの更新になりますが、待っていてくださると嬉しいです、、(^^) (2023年2月4日 22時) (レス) id: 4c79031444 (このIDを非表示/違反報告)
ダイア(プロフ) - ririさん» ririさん、コメント有難うございます!頑張りますー!🥲 (2023年2月4日 22時) (レス) @page24 id: 4c79031444 (このIDを非表示/違反報告)
haiki(プロフ) - いま一番好きな作品です!待ってます! (2023年2月4日 1時) (レス) @page23 id: d87bdb7959 (このIDを非表示/違反報告)
riri - このお話大好きです。更新頑張ってください!応援してます! (2023年1月15日 10時) (レス) @page4 id: 72d1a3d1f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年1月12日 15時