unusual (ページ10)

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心の中でひっそり、

来年の担任が先生だったらいいなって思ってたことも
きっと凛にはお見通しなんだろう

『Aの好きはさ、憧れでしょ？』

「え？」

『松村先生への感情って、憧れとかそういう類の好きなんじゃないの？』

リュックを背負い直した凛がまっすぐな瞳で見つめてくる

それはどこか有無を言わせないような意志を含んだもので

私にそれを肯定して欲しいんだなってなんとなく感じ取った

「…え〜、凛にはそう見える？」

『見える、っていうか、』

“まあ凛にあれから先生の話しないもんね”

そう前置きをして言葉を続ける

「私、多分…っていうか、人として、先生が好き、だよ」

先生との出来事は誰にも話してこなかった
もちろん、凛にも。

それは私の醜い独占欲と優越感が招いた理由なだけ

みんなが知らない先生を知っているのは自分だけがいいってだけ

「…わかんない、凛はあんま良く思ってないかもなんだけど、
だけど、好きなんだよね、先生が」

『Aが辛くなるだけなんじゃないの？』

「…え〜？(笑) いいよ全然辛くないし！
別になんか！先生陰キャだから彼女とかいなさそうだし！」

『…なにそれ(笑)
…じゃあ来年も松村先生がいて、伊藤先生もいて、
それで松村先生が担任だったら嬉しいね？』

やっぱり凛にはお見通しだ

私の気持ちを最終的には優先してくれるところも凛らしくて

「違うよもう1個、凛と同じクラスじゃなきゃ意味ないの」

『そんなの欲張りすぎて叶うわけないよ(笑)』

凛と同じクラスで、伊藤先生が復帰して、

先生が今年も私のクラスの英語を担当するってことを知ったのは

それから2週間と少しが経った頃だった

…残念なことに担任の先生は違う人だったけど

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