unusual (ページ19)

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いざ２学期が始まるとなると、
何も知らなかったあの頃のようには振舞えなくなるもので

『最近毎日一緒に帰ってるけどいいの？』

「その言い方、私と毎日帰るの嫌って聞こえるけど！」

『心配してるの』

凛に対しては、
どれだけおちゃらけた返事をしても上手くいかない

だってこんなに真っ直ぐな目で見つめてくるんだもん

本当に心配してくれているんだなって痛いほど伝わるから

「え〜…だって、気まずいじゃん」

『そう思ってるのはAだけ、
気づいてるでしょ？先生チラチラあんたのこと見てるの』

なるべく先生との関わりを少なくしたくて
英語の授業も真面目に受けるようになった

前みたいにわざと外眺めて名前呼んで注意されたり、

教科書に落書きして注意されたり、そんなの一切なくて

……気づいてるに決まってる。

問題解く時間になる度に先生が私の方を見てるのも

机間指導の時、私の席を通る時だけやけにゆっくり歩くのも

板書のために顔を上げて目が合ってしまった時、
わかりやすく反応するのも

いつも私の名前を呼ぼうとして口をパクパクさせているのも

全部気づいてるに決まってる。

だけど私を気にかけてくれているのは全て“生徒だから”

それを実感させられてしまった今、素直には喜べないよ

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