unusual (ページ13)

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高校2年生も慣れてきて、

気づけば忙しなく蝉が鳴き続ける季節になっていた

「先生半袖着ないの？見てるこっちが暑いんですけど」

『それはこっちの自由でしょ。文句言うならわざわざ来るんじゃないよ。』

相変わらず放課後先生の元には通い続けている

名目を守るために最初の数分だけ勉強もちゃんとしている

わからない風を装って、先生の英語を聞きたいだけなんだけどね

「でも先生いつも涼しそう」

『どっちよ。さっきと言ってること矛盾してるけど？』

「んふ、どっちでもいいじゃん」

眉をピクって上げて呆れたように私を見るその目

いつもは真面目でお堅い先生が
そんな砕けた表情を見せてくれるのはきっと私だけ

ひとつひとつの表情全てを写真に収めておきたいとすら思う

『夏休みは？どう過ごすの？』

「え、先生デートのお誘いですか？」

『…馬鹿たれ、んなわけないでしょうが』

手に持っていた資料で頭を叩こうとするから

“体罰だ〜”だなんてわざとらしく騒げば大人しくなる先生

コロコロ〜って椅子に身を任せてデスクに戻っていくから
ほんの少しの寂しさも感じる

『今どきさ、そういうの厳しいんだからやめてよ』

「別に先生に体罰されても私は秘密にしますよ？」

『…そういう問題じゃないのよ』

また呆れた顔を見せる先生

さっきより距離が空いたのがやっぱり寂しくて

椅子と一緒に先生の近くまで小走りで移動する

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