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「ただいま～」

『おかえりA、同窓会の案内来てたわよ』

…同窓会、その言葉に背筋が伸びる感覚がした

“部屋に置いといたから～”

お母さんの言葉を背に階段を昇って自室に向かう

扉を開けて、ローテーブルの上を見ると、
確かに、お母さんの言うように同窓会の案内状が置かれていた

逸る胸を抑えながらハガキを手に取れば

“○○高等学校同窓会実行委員”と書かれてあって

高校の同窓会なんだ…って

嬉しいような、嬉しくないような、複雑な気持ちに襲われる

___♪

ハガキを手に持ったままその場に立っていると
ポケットの中のスマホが振動した

「…過保護すぎるってば」

ディスプレイに表示されるメッセージに無意識に頬が緩む

たった今さっき別れたばっかだって言うのに

なんなら家の前まで送ってくれたくせに

「“樹も家に着いたら連絡してね”っと…」

私には勿体ないくらいかっこよくて、優しくて、

出会った時からずっと大切な存在の樹

もうすぐで付き合って4ヶ月を迎えるところ

画面を暗くすると再び手元にあるハガキに視線が移る

同窓会、ねぇ……

どうなんだろう、皆行くもんなのかな

会いたい人はたくさんいる

だけど、会いたいけど会いたくない人もいる。

ハガキの転送期限は2週間後

「…あとで考えよ」

今この場で決断をするには大きすぎること

樹に相談してみようかな

高校時代仲良かった凜に久々に連絡してみようかな

なんとなく、今そのことを考えたくなくて

階段を駆け下りて夜ご飯を食べることにした

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