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『ねぇなんで慎ちゃんそんなにバカなの』
『それ言うなら慎太郎のこと殴れよ』
『慎ちゃんは殴りたくないの』
よくわかんないけど陽菜ちゃんと樹のそんな様子を見て
急に泣きたくなった、わけわかんなすぎるけど
「陽菜ちゃんはAの恋応援する立場じゃないの?(笑)」
『そうだけど…慎ちゃんの恋、誰よりも応援してたの』
Aは超が付くくらい鈍感ちゃんだからあれだけど、
陽菜ちゃんにも樹にも……きょもにも相当気遣わせた自覚はある
同じサークルで会う機会も多いからって
いつも話聞いてくれてたのは陽菜ちゃんだし、
言葉にはしないけど樹は察してるんだろうなって思ってたし、
そしてなによりきょも
きょもの優しさは俺にとって優しいものじゃなかったけど
きょもなりに俺の事を考えてくれてたのはわかる
暗闇に一瞬光が差して、花火の始まりを告げた
『ねぇ慎ちゃんほんとに、』
「うわー!スゲ!写真残しとこうかな!」
俺が勝手なことしただけだから
今日2人がどうなるかなんて知らない
別にどうにもならなくてもいい
だけど
きょもの気持ちはわからないけど
少しでもその気があるならさっさとAのこと奪ってほしい
花火がちゃんと撮れたか確認しようとしたら
数十分前にAと撮った写真が出てきて、
ふとそんなことを頭に浮かべた
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年10月19日 22時