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慎太郎side
トイレに行くふりをして人混みに紛れ、
少しずつ遠ざかっていく2人の背中を見送った
近すぎず遠すぎず、絶妙な距離感で歩いていく2人
あ……きょもがAを手を握った
その様子を見届けて、俺も樹と陽菜ちゃんが待つ場所へと戻る
…いつからだっけな
Aを友達以上の存在として見てしまうようになったのは
高校1年、気付けば仲良くなっていて
高校2年でも同じクラスになれて嬉しくて、
走りだしたくなる衝動を抑えて“うわ〜またいんじゃん”とか
よくありがちな会話をした
そっか、高校生の時から既に俺は…
Aは高校時代の俺を仲良かったクラスメイトって表現する
確かにそれは間違いではないんだけど、
俺からしたら女子の中でもAに特段ちょっかい出してたから
その言い表し方に多少の寂しさは感じていた
『あれ、慎ちゃんAは…、ってもしかして』
1人で帰ってきた俺に駆け寄ってくる陽菜ちゃん
一気に表情が曇っていくから、マジで勘鋭すぎて怖いんよ(笑)
「あー…はぐれた?(笑)」
『慎ちゃん』
「なに?陽菜ちゃん」
急に樹の方を振り向いて、樹の肩を手をグーにして叩き始めた
樹も“は!?なんで俺!”って驚いてる
そりゃそうだよな〜流れ的に樹関係ねぇんだもん
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年10月19日 22時