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『え?そんなのAたちと行くに決まってるじゃん〜!』
「ほんと?陽菜ぁ…」
『彼氏より俺ら優先ってこと?やば!』
貴重な5人で集まれるお昼の時間
去年のように七夕祭りのフライヤーを持ってきた陽菜に
一斉に騒ぎだす私たち
やっぱり樹も慎太郎も今年は5人で行けない、って思ってたらしい
だからみんなして喜んじゃってるってわけ
「でもほんとにいいの?彼氏さん」
『なんか就活?忙しいらしくて』
『うわ!就活だって!おっとな〜!』
『俺らも2年後同じ状況なわけっしょ?えぐいわ〜』
また次々と騒ぎはじめる2人とそれに乗っかる陽菜
いつものそんな光景を見て、私も自然と口角が上がる
そしてきょもに視線を移す
これもいつもと同じ動き
だけど視線が絡むことなく浮かない表情をしているから
なにがあったのかなって少しだけ、不安になる
『え!どうする!今年こそ浴衣着る?』
去年は多数決で着ない、ってなっちゃったからなぁ…
今年こそは陽菜の願望叶えてあげたいけど
「陽菜は彼氏さんに写真送れるからいいけどさ」
『私は見せる相手がいないって?』
揶揄うように割り込む樹に素直に頷く
なんか、変に恥ずかしいじゃん
浴衣って“そういうもの”っていうイメージあるし
可愛いのため、みたいな……
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年10月19日 22時