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あの後すぐに春休みに入り、
夏休みぶりのながーーい休暇を過ごした
「またこの席だ」
『当たり前じゃん学籍番号順だもん』
私たちは全員2年生に進級でき、
オリエンテーションに参加している
いつもの席で、後ろには樹がいて
左斜め前の方に慎太郎の頭が見えて、
私からは見えない慎太郎の右側の席にきょもと陽菜が並んでて
ちょうど1年前の今日、皆に出会ったんだ
『なんかエモくね』
「…ね、エモい、かも」
『え、乗っかんの!絶対きもいって言われると思ったんだけど』
「私をなんだと思ってるの」
樹の言うとおり、
普段だったらそういう類の言葉を使うのは好きではない
だけどなんか…今日はそう思わざるを得ない
本当に偶然だけど、きょもと再び会うことのできたこの日
あの日と同じように窓辺は桜色に色づいていて
あぁ、春だなぁって
『で、春休み2人で会ったん?』
「…だからさぁ、会うわけないじゃん」
結局樹には私が言う前からバレてた
陽菜と2人で話してたら急に割り込んできて
当たり前のように恋バナに乗っかってきてそれが判明した
まあ、気づいてて何も言わないでいてくれた
樹の優しさに感謝はしなきゃなんだけど
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年10月19日 22時