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しばらく姿を見ていなかったそれを見て、
ただでさえ溢れてる彼への感情が
またふつふつと込み上げてくる感覚
「…なんで?」
3枚の水色の紙が私の手に渡される
『卒アル』
「卒アル…」
『挟まってたの見つけたやつ』
その言葉にハッとした
あの時、きょもが慌てて回収した何かの正体はこれだったんだ
それを見つけた慎太郎にバレないようにしてくれてたんだ
…そういうことだったんだ…
『超好きじゃん』
「……」
『そんな好きだったの俺の事』
私の手元にある水色の紙には
“大我とずっと一緒にいられますように!”
“大我にまた会えますように”
“大我が幸せに過ごせていますように”
彼のことだけが記されていて。
…中学3年間、毎年七夕のお願い事には
きょものことしか書いてなかったな……
1枚目は最初で最後のデートだったあの日の夜に書いたもの
2枚目は突然いなくなってしまった
きょもを忘れられずに、ただただ会いたくて書いたもの
3枚目は…もう会うことには諦めを感じていたから、
ただ、彼が幸せに過ごしてくれればいいってそう思っていた
こんなの、3年間ずっと未練タラタラだったことの証拠でしかない
よりによってこれを彼に見られてしまった…って気持ちと
この3枚の紙が何かを変えてくれるかもしれないっていう
淡い期待と
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年10月19日 22時