dream of (ページ38)

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スケート場まで片道1時間半って聞いてたから
長いなあなんて思ってたけど皆といると一瞬で

車内では音楽がずっと流れていて、

常に誰かしらがカラオケ状態

歌ってない人も合いの手で盛り上げて
静かな時間なんて皆無だった

寝てもバレなそうなんて言ってた松村くんでさえ

身体を揺らしてまで楽しそうに歌っていて

松村くんってこんなにはしゃぐ人なんだ、って
初めての発見だった

田中『A何聴きたい〜？』

「えー、じゃあ、〜〜〜」

松村『お、いいね』

お世辞なのか、本音なのかわかんないけど

…多分、松村くんと音楽の趣味が似ているらしく

「聴いたことある？」

松村『なんならプレイリスト入り』

前にいる人たちには聞こえない声で交わす言葉

松村くんとの共通点が見つかったことだけで胸が満たされる

松村『歌わないの？』

「歌うよ」

“北斗も知ってんの！？”

なんてガヤを無視して気持ちよさそうに歌う松村くん

私もそんな松村くんに乗っかって気持ちよく歌った

スケート場に着くことが惜しいくらい、
松村くんの隣にいるこの空間が楽しくて幸せで

車から降りて少しずつ距離が開いていく彼の背中を見ながら、完全に緩んでしまった頬を隠すのに必死だった

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