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松村『…遠い記憶すぎるなあ』


「え?」


松村『今の自分にはわかんない』



“まあそんなに理解する気もないけど”




加えて呟いた松村くんが立ち上がる

それに倣うように私も慌てて荷物を手にする



あんまり、触れない方が良かったのかな

ポケットに手を入れて隣を歩く松村くんを見上げる






松村『まあ、そういうのは樹の得意分野だからね』


「まあ…そうだよね、樹、モテるし」


松村『けど見習おうとは思わないなあ〜大変そう』


「あんまり、その…そういうの興味無い感じ?」


松村『え〜だって面倒じゃない?気遣うし』




有り得ないとでも言いたげなテンションで
笑いながらそう口にした松村くん



そっか、そもそも恋愛に興味持ってないんだ

そっかそっか、そうなんだ



この事実をどう受け止めるべきなんだろうか……

…というか自分の想いは勝ち目がなさそうに思えてきた


だって恋自体興味ない人なんでしょ?

まだ一切アピールなんか出来てないけど、
これからし始めても、なんか、無意味そうじゃない?






松村『あ、今日チャリだから、ここで』


「あ、うん、…あっ、一緒に…じゃなくて、ペアワーク進められて良かった、有難う」


松村『うん、最後発表頑張ろうね』










なんとも言えない気持ちを抱えたまま松村くんと別れる

なんか、なんというかスタートラインにも立ててすらいない感覚で



正直今ならまだ引き戻せる余地がある

いいなあって思い始めてから1ヶ月強くらいしか経ってないし




そんなことを思いながらも会えばもっと話したいって思ってしまう


無事に最終発表も終えて、

樹達とスケートに行く日がやってきた










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作者名:ダイア | 作成日時:2024年1月4日 16時

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