dream of (ページ17)

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京本『この講義取ってたんだ』

「うん、ずっとここで受けてた」

京本『あー俺ら反対側の後ろ座ってるから気づかなかったのかな』

「かもね」

そんななんでもないやり取りをしていれば教授が入ってきて講義が始まる

いつもは隣にいるヤマちゃんみたいに寝るか、
ずっとスマホをいじっているかのこの時間

だけど今日は…

ただ後ろに座ってるだけで私を見てるわけじゃないってわかってても自然に伸びる背筋

どっちが松村くんにとって好印象なのかわかんないけど、

せめて今日だけでも真面目に受けようと思って初めて板書をしてみたり

チラッと視線をずらせば気持ちよさそうに眠ってるヤマちゃんが目に入る

私も寝たい……けど、今日は我慢

京本『ねえ暇、構って』

そんな時、椅子を近づけてきた大我くんから耳元で呟かれる

気づけば腕と腕が触れ合う距離

大我くんの手元を見ればたくさんの落書きの跡

勉強熱心なんだなって思ってたら違ったみたい、いつもの私たちと同じだ

「お絵描き続けたらいいじゃん」

京本『やだ、飽きた』

「…じゃあスマホは？」

京本『うーん』

「何ならいいの(笑)」

京本『Aちゃんとのお喋りで』

少し顎を引いて上目遣いをしてくる大我くんは

……やっぱり誰よりもあざといよね

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