dream of (ページ16)

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振り向いた瞬間に松村くんと目が合う

ただそれだけ、

それ以外何も意味はないのに思わず目を逸らしてしまう

不自然に視線を逸らして、
もう一度松村くんを見てももう視線は交わらない

ごく普通のことなのにそれなら目逸らさなければよかった…なんて考えてしまう

田中『きょもが俺より遅いとか珍しいね』

高地『というより、樹がこの時間に来てるのが珍しいのよ』

田中『俺ね、今年は絶対寝坊しないって決めたの！ね！』

同意を求めるように私を見る樹

私に向けられた目がこれまでにないくらいキラキラしていて笑いが零れる

本当の目標として掲げているなんて思ってもなかったから

年末のバイトの時に軽～くそんな会話をしたんだよね

“せめて後期の残りくらい無遅刻無欠席しなよ”って

「樹の場合は三日坊主で終わっちゃう可能性あるからね」

松村『こいつバイトとかはちゃんと来てる？』

「あー…流石にちゃんと来てるよ、私と被ってない時は…どうか知らないけど(笑)」

松村『ふは、流石にそうか』

京本『ねえいつもと違う席いるから探したんだけどー』

振り向けば暖かそうなマフラーを巻いた大我くん

私とヤマちゃんを見てびっくりした顔を浮かべる

京本『2人もいるんだ！おはよ』

『おはよ～きょも～』

自然な流れで松村くんが話しかけてくれた嬉しさに浸る余韻もなく、
大我くんの登場に急に緊張してくる

横目に松村くんを見れば樹のスマホを覗きこんで

何か楽しそうにお喋りをしている

「…おはよ、大我くん」

京本『ん、おはよ、Aちゃん』

なんとなく、振り向くのをやめて机に向かうように座る

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