dream of (ページ40)

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かくいう私もスケートは中学生ぶり

当時はなんてことなくスイスイ〜っと滑れてたから
いけるでしょ、なんて余裕ぶっこいていたのがつい数分前まで

「待って樹、待って樹」

壁にしがみつきながら1周するのに精一杯で

隣を滑っていた樹に助けを求めてしまう始末

田中『なに？お前できないの？』

「できるはず！はず、なんだけど、ちょっとまだ感覚が」

田中『はいはい言い訳ね』

「違うって、本当に前は滑れてたの！ほんとうに！」

余裕そうに腕を組みながら私の隣を滑る樹

妙にそういうとこ器用でなんでもできちゃう人なんだよね、悔しいけど

辺りを見渡す余裕まであって、
まるで誰かを探しているような素振り

「どしたの？」

田中『ん〜？ん〜、あ、いた北斗』

「いいよ、いってらっしゃい」

田中『教えてもらえば？北斗1人で滑ってて暇そうだし』

「…いいよ別に」

田中『お、乗り気じゃん』

「そっちのいいよじゃなくて、」

京本『やっと追いついた〜！！』

樹にバレちゃったこと、1番面倒なパターンだったかも

無駄に察しのいい人だから
どう足掻いてもバレる未来しかないんだろうけどさ

それに加えて、人のそういう話大好きマンだから変に協力したがりなのも面倒だし

そんなことを考えながら吐き出された私のため息は
大我くんの無邪気な声でかき消される

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