dream of (ページ4)

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京本『しっくりこない』

ぼそっと呟いたであろう言葉が聞き取れなくて

立ち止まる京本くんの元まで戻って聞き返すとそう口にした

「あー…そっか、樹とかきょもって呼んでたもんね」

京本『それもしっくりこない』

まだ話し始めて数時間だけどもしかして京本くんって我儘さん？

甘え上手というか、人の懐に入るのが上手というか
距離詰めるの上手というか

前に樹が“きょもってマジでかわいいの！”とか言ってたことがぼんやり思い出される

樹が呼んでたきょもは却下されたし、京本くんはダメらしいし、

松村くんは…確か京本って呼び方だった

…いやさすがに苗字呼び捨ては私にはできっこない

高地くんは……

「大我くん…とか？」

いきなり下の名前とか馴れ馴れしいだろ！って言われる可能性もあるから
恐る恐る声に出してみる

だけど可愛らしい小さな笑い声とともに口角がきゅっと上がるのがわかった

京本『うん、それがいい』

「大我くん、大我くん、大我くん…」

京本『なに？そんなに俺の名前呼んで』

「慣れるように練習しなきゃって」

京本『んふ、あざといねAちゃん』

いや…あざといのは貴方でしょう

自然な流れで私のことも下の名前にちゃん付けするって…

京本『どしたの、樹たちに置いてかれるよ』

喉まで出かかったその言葉を我慢して

すっかりご機嫌になった京本くんと2人でのんびり歩いた

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