愛染 (ページ50)

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pipi.....

セットしていた時刻丁度に鳴りはじめた目覚ましを止める

楽しみにしていたわけでもないのに目覚ましより先に起きてしまった今日

というかむしろ憂鬱なくらいなのに

結局あの後謎にも4人でLINEのグループを作って

ほとんど樹と桃ちゃんしか参加してない会話の中でテーマパークに行くことが決まった

朝ご飯もろくに喉を通らなくて、
準備もいつも以上に時間が掛かってしまって家を出るのがギリギリになってしまった

走らないと待ち合わせ時間に間に合わないかなって

急いで家の扉を開けた先に信じられない光景が広がっていた

｢....え、なんで？｣

『んーなんでだろ？(笑)』

｢迎え、来てくれたの？｣

『まあね』

すぐそこにいたのは紛れもない樹だった

この間夏祭りで見たときと同じような白Tにジーンズ

ただそれだけのシンプルな格好なのに樹はかっこ良くて目が離せなくなる

『なに、そんな固まるほどビビること？』

｢....え、あ、だって樹、待ち合わせ場所と逆方向だし｣

ただ私が樹に見惚れてるのを、樹がいることに驚いて固まってるだけって
勘違いしてる樹に本当のことがバレないように誤魔化して

『まあ～俺にしては珍しく早起きできたから
どうせA遅刻すんだろうなって来てみただけ』

｢....ふーん、私だって早起きしたけどね｣

『ん？楽しみにしてたんだ？(笑)』

｢意味わからないメンツでむしろ怯えてます～｣

『っは！なら俺の隣ずっといればいいじゃん(笑)』

｢....なんでそうなるの、(笑)｣

いつものように樹の発言に一喜一憂しながら歩いて行けば、

なんだか今日が少し楽しみになってきた

あんなに憂鬱だったのに樹と話すだけで簡単に気持ちが変わるんだから
自分ってどれだけ単純なんだろうなって馬鹿らしくもなる

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