愛染 (ページ48)

今日:74 hit、昨日:27 hit、合計:287,652 hit

48 ページ48

・

｢ねえどしたの？樹、課題の範囲なら電話切ったら送るよ？｣

樹から電話してもらえるのは嬉しいんだけど

なにより寝起きだから声がガスガスでこんなとこ知られたくないじゃん？

だから私的には少しでも早く終わらせたいんだけど....

『なんか俺も慎太郎と遊びたいんだけど』

｢うん？なら森本くんに言ったら？｣

『....どうせならAもどうかなって』

｢なんで私？(笑)仲良いんだから2人でいいじゃんか(笑)｣

『昨日中途半端にお前に会ったから不完全燃焼なの』

しびれを切らしたように投げやりにそう言った樹

そんな遠回しな言葉しか使ってくれないってとこに見えない境界線を感じる

好きな女の子なら素直に会いたいって伝えるんだろうなってまた余計なことばっか

｢なにそれ(笑)昨日の“桃ちゃん”はいいの？｣

『桃ちゃんとなんかあるわけじゃないし関係ねえよ』

｢そんなこと言って鼻の下伸びちゃってましたけど？｣

『そりゃあんな可愛い子に好意寄せられたら男はそうなるっつーの』

｢....きも｣

ふーん、好意寄せられてることに気付いてるんだ

それなのに“桃ちゃん”だけ他の子と扱い違ったり
わざわざ一緒にお祭り行ったりしてるんだ

結局樹からしたら特別扱いしてるって事実に嫉妬してしまう

それだけで羨ましいって思ってしまう

・