愛染 (ページ41)

今日:41 hit、昨日:27 hit、合計:287,619 hit

41 ページ41

・

『樹も斉藤さんと来てんだ』

『そ、桃ちゃんが誘ってくれて、てか２人知り合いなんだ？』

『慎太郎くん、同じクラスなんです
まさかこんなところで会うと思わなくてびっくりしちゃった(笑)』

小柄で髪も緩く巻かれていていかにも男が好きそうな女の子って感じの子

みちるの言ってた後輩の女の子ってこの子なんだ

名前まで可愛いしなんかもう全てで負けてる気しかしない

『なんでAなんも話さねえの(笑)
あ、もしかして慎太郎と付き合っ、』

｢そういうんじゃないから！
....森本くん早く行こ？焼きそばなくなっちゃうよ｣

『お前まじ食い意地張りすぎだろ(笑)』

｢.....｣

樹はいつものノリで言ってることくらいわかってる

だけどそれを真に受け止めてしまうくらい

樹と自分以外の女の子が隣同士にいてお祭りに来ているって事実がしんどくて

涙がこぼれる、もう寸前の状態だった

『ッダー！もう！樹はわかってないなあ！
こういう場所は出店を楽しまないで何を楽しむんだよ！なあ！Aさん！』

『慎太郎お前はうるせえよ(笑)』

『俺たちまだすることいっぱいあるんでこんなとこでくっちゃべってる暇ないんだわ！
じゃあな！樹！に斉藤さん』

繋がれていた手が離れ、

樹たちから守るかのように腰に手を回して引き寄せてくれた森本くん

『我慢できたじゃん(笑)』って

耳元でそっと呟いた森本くんの声に我慢してた涙がひとつ、こぼれた

・