愛染 (ページ30)

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チャイムが鳴って森本くんが友だちの元へ行ってひと息つく

わけも分からず恥ずかしくて気まずくて仕方なかったし

『なにふたりずっと慎太郎のこと見てたん？』

｢え？ちが、｣

『そう～Aが森本くんがいる～！ってはしゃいでてさ』

『へ～、仲良いもんな慎太郎とA』

｢っそれより！早く樹離れてよ、変に勘違いされる｣

『んぁ？あー俺とAがバックでヤって、』

｢樹！黙って、そういう意味じゃないし｣

何が面白いのかヘラヘラして樹をキリッと睨んでみちるに駆け寄る

だけどみちるも爆笑してて、もうだめだって半ば呆れモード

さっきまでのドキドキを返してほしいとすら思えてきた

『あ！そうだ樹に聞きたいことあるんだった！』

もしかして夏祭りのこと......

『ん、なに？』

『夏祭り誰と行くとか決まってる？』

『あー....』

やっぱり夏祭りのことだ聞かなくていいのに.....って思ったけど
せっかくのチャンスをみちるがくれたんだし

口を挟まないで樹の言葉を待つことにした

『なんか誘ってくれた子がいるんだけど
どうしようかな～ってまだ返事してない』

結局、私には一歩踏み出す勇気が足りないんだ

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