愛染 (ページ22)

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『嫉妬じゃないすか？』

｢え、本気で言ってる？｣

こんなことがあったんだよね～ってノリで話したら
まさかの森本くんも同じような反応

え、なに私のまわりの人総出でからかおうとしてるの？

『俺が樹の立場だったらモヤモヤしますよ』

｢どんな理由で？｣

『え？Aが取られた～って』

｢....なにしれっと呼び捨てにしてんの｣

『ん？樹の気持ちになっただけですよ』

“あれ、もしかしてキュンとでもしました？”

って煽ってくる森本くんのことはスルーして

｢これって少しは脈ありだと思う？｣

『んー30％くらいっすかね』

｢....少な｣

『俺は女友達だと思ってた子が他の男と仲良くしてるの見て
妬いたらそれはもう好きなんだってなるけど樹の場合はわかんないもん』

｢樹が森本くんくらい単純だといいのに｣

小さなため息を落として本の返却箱に目を向ける

割とぎゅうぎゅうに詰め込まれてるからそろそろ本棚に戻さないとだな

｢森本くんカウンター任せていい？私本戻すから｣

重くなって動かしにくい返却箱を押しながら本棚に向かう

タイヤが付いてないタイプだったら終わってたななんて思いながら
体重を掛けながら押していたら、後ろに気配を感じた

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