愛染 (ページ3)

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本当の本当にギリギリ

チャイムが鳴り止むと同時に席に着いた

幸いまだ先生も教室に来てなかったし無事初日早々の遅刻は回避できたはず

『2人揃って新学期早々....よく懲りないね』

｢私は余裕もってきてたからね？樹のせいだから｣

『はあ？Aがさっさとクラス教えなかったのが悪いんだろ』

私と樹が席に着くとすぐに後ろを振り返って呆れた顔を浮かべるみちる

去年からの友だちで“高田”“高橋”っていう
みちるもまた名字で出席番号が前後だったから仲良くなれた人

大好きな友だちのみちるが前にいて

片想いしてる樹が後ろにいるこの席は本当に有難さしかなくて
ずっと席替えしたくないなって多分今年も思うんだろうなぁ

『....今年も一緒じゃん、良かったね』

そしてみちるは私の想いを知っている唯一の存在

何か嬉しいことがあれば自分のことのように喜んでくれるから
なんでも話しちゃうんだよね

『今年の目標、脱女友達ね？』

｢....頑張る｣

今の樹は私のことただの友だちとしか見てないこと痛いくらいにわかるけど

今年1年、せっかく同じクラスになれたんだし
少しでも関係を変えられたらいいなって前向きに考えてた

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