スポットライト (ページ50)

今日:46 hit、昨日:44 hit、合計:363,456 hit

49 ページ50

・

気持ちをリセットして仕事に戻るために自分の頬を叩く

どんなに強く叩いても痛みを感じなくて

“妹みたいな存在”

この一言でどれだけ自分の心が傷ついているのかがわかる

｢....よし｣

深呼吸をしてトイレを出る

トイレを出てすぐ先の廊下にいたのは田中さんだった

『....タカみっけ』

｢....どうしました？何か仕事の用事でも、｣

泣いてたことを気づかれないようにいつも通りを装うけど
田中さんにはそれが通用しない

『どうせ泣いてんじゃないかなって心配になってた』

｢泣いてなんか、｣

『きょもにまた余計なこと言われたんでしょ』

｢.....｣

何も言えずに黙り込む私をフッと鼻で笑って一歩近づく田中さん

頭に田中さんの温かい手が置かれていた

『やっぱ2人でメシ行こうよ』

｢....だから、田中さんに迷惑掛けちゃうので、｣

『大丈夫、俺に任せて？』

｢でも、｣

『心配でたまんないの、タカのこと』

“それでもだめ？”って聞いてくる田中さんに叶うわけがない

頷かざるを得なくて、渋々首を縦に振ったら

よっしゃって嬉しそうに笑う田中さん

『じゃあ次の仕事の時までにスゲジュール確認しとくね』

｢あっ、了解です....！｣

ヒラヒラ～と手を振りながら歩いて行く田中さんの後ろ姿は
モテる男性そのもので少しの間ボケーッと見とれてた

・