スポットライト (ページ29)

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｢....そ、それより！今撮影中なのにここに来て、｣

『大丈夫休憩の時間だから(笑)流石に撮影抜け出してまでここには来ないでしょ(笑)』

｢あ....、そうなんですね｣

でもとりあえず戻ろっか、って
スタジオまで京本さんと隣を並んで歩く

『ねえねえ１個さ、質問いい？』

｢なんですか？｣

『実際デビューしたらメイクさんとか指名できんのかな』

｢あー.....、どうなんでしょう、ね｣

“デビューしたら”私なんかは担当につかせてもらえなくなるんだろうな

岩田さんとか佐藤さんとかだけで、私より遥かに腕のある方々だけになるんだろうな

京本さんの言葉でふとそんなことを感じた

『まあできるわけないか！そんなの有り得ない話だな』

｢いるんですか？ついてもらいたいメイクさん、とか｣

『んー？いや、タカのままがいいなって思ったから』

｢....私、？｣

『うん、タカのやってくれるヘアメイク結構好きだし
あとは何より成長を見届けたいよね(笑)』

｢....有難う、ございます｣

京本さんの言ってくれたことはとっても喜ばしくて有難いお言葉

だけど素直に喜ぶことができない自分もいて

それに気がつく度に自分が想像している以上に
京本さんに恋愛感情を抱いてしまっているんだってことも自覚させられてしまう

絶対叶うはずのない恋なのに

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