恋人ごっこ。-２- (ページ7)

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｢....北斗、｣

『....あと少しだけ』

ヘアアレンジが崩れないように、
優しく何度も何度も頭を撫でてくれる

身体が離れれば、また愛おしいものを見るような目を私に向けてくるから

.....有り得ないはずの勘違いをしてしまいそうになる

『嫉妬したって』

｢....え？｣

『嫉妬したって言って？』

｢....ものすごく、嫉妬、した｣

『そっか』

嬉しそうにふわっとした表情を見せた北斗

なんでこんな言葉を言わせてくるのかよくわかんないけど
偽りだとしても私の心はそっと温められた

『ずっと言おうと思ってたけど』

｢うん？｣

『今日のA可愛い』

『淡いピンクの浴衣も、お化粧された顔も、
お団子になってる髪型も、全部。』

｢....なにそれ｣

『そこは素直に有難う、って言うところじゃねえのかよ(笑)』

....本当になんだこれ、こんな北斗見たことない

北斗が私のこと可愛いって言った？そんなこと有り得る？

夏祭りという非日常的な空間が人を変えてしまうのかもしれない

嬉しいんだけど照れくさくて北斗をジッと疑いの目で見つめる

『なによその目は』

｢....北斗がおかしいんだもん｣

『.....、』

｢北斗？｣

『....本当、ね？なんか俺おかしいみたいだわ』

鼻をポリポリ掻いて何か考えるような仕草を見せる北斗

リンゴ飴が少しずつ溶けてきていることに気付いた私は
思いっきりひとくちかじった

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