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「....おはよう、北斗」
『ここで挨拶してくんの?本当読めねーわ(笑)』
いつもより遅い時間っていっても
北斗が来たことによって学校には余裕で間に合う時間だから
いつも通りゆっくり歩いて登校する
....いつも通りじゃないのは、手を繋いでいないということだけ
『....あの、さ』
咳払いを挟んで、口を開いた北斗
やっぱり彼も隠しきれない気まずさはあるみたい
『....この前の、キス....には特に深い意味はないから、謝りたくて』
「.....、」
『ほら、びっくりすると泣き止むみたいな、
Aが泣いてたから止めてあげようと思って』
「....大丈夫」
『え?』
「....私も、特に気にしてなんかないから」
また北斗に嘘をついた
深い意味はない、なんて言われて悔しくて。
だから強がってこんな言葉を口にしていた
何度目だろう、北斗に嘘をつくのは
この関係を始めてから何もかもが嘘で形取られている気がする
『....気にしてない、か』
「いちいち気にしてたらこんな関係やってらんないでしょ(笑)」
笑って返してくれると思ったのに北斗は黙り込んでしまった
見せかけのものはいつか崩れてしまうもので
それが崩れてしまうのなんてほんの一瞬だ
自分たちの知らない場所で、気付かない場所で、
いつの間にかこじれはじめていた私たちの感情が
少しずつ表に顔を出し始めていた
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ダイア(プロフ) - ジャニコチさん» コメント有難うございます!更新頑張ります! (2021年11月19日 21時) (レス) id: cfe0983ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ジャニコチ(プロフ) - いつも楽しく見てます!更新楽しみにしてます(^o^) (2021年11月17日 22時) (レス) @page30 id: 5b1c5efdb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダイア | 作成日時:2021年11月4日 23時