恋人ごっこ。-２- (ページ9)

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北斗side

風呂から上がってスマホを手にすれば俺の元にも届いてた高地からのメッセージ

特段驚くことでもないし端から見たら両想いでしかなかったし

《おめでとう》

これだけ送ってスマホをベッドに放り投げた

そんなことより。

高地には申し訳ないけどそんなことより大事なことが俺の中にはあって。

何かがおかしい

何かというよりおかしいのは紛れもない俺自身なんだけど

“....ちょっとごめん、許して”

“....あと少しだけ”

そんな言葉とともにAを抱きしめてしまった

わけがわからない、なんでそんな行動を取ったのか

｢....まさか｣

なんて考えたくもないことが脳裏をよぎってくる

いやいや、普通に有り得ないだろ、ないない

いや、だってまずAがあんな抱きしめたくなる表情するのが悪いんじゃん

....抱きしめたくなる表情？なんだそれ、なに言ってんだ自分

そうだ、Aがあんな顔したから身体が勝手に動いてしまったんだ

だって今まであいつのあんな表情.....見たことないし

なんだ、おかしいのはAの方じゃん

俺は男として、本能的に行動を取っただけじゃん

ひとりで自問自答を繰り返しながら、

自分の中に芽生えはじめている気持ちに、
変化に気付かないように必死だった

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