恋人ごっこ。 (ページ40)

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理由は分からないけど
北斗は相変わらず不機嫌なままだし気まずいったらありゃしない

だから北斗の２歩くらい後ろをそっと着いていく

『....あんま高地に迷惑掛けんなよ』

｢....え？｣

自販機に目線を向けたままそう呟いた北斗

『あいつだって自分の勉強があんだから』

｢....それはわかってる｣

『....別に俺だって、数学できねえわけじゃねえし』

｢北斗、？｣

『Aに教えるくらいの余裕なら全然あるし』

｢でも北斗数学より文系科目の方が得意でしょ？｣

『でもAが頑張りたいのは数学なんだろ』

｢ねえ流石に数学しか勉強しないなんてことないよ？(笑)｣

初めて自販機から目を離して私の目を見てくれた

その表情はどこかさっきまでの冷たさは消えているように見えた

｢英語とか古典とか、多分北斗に教えてもらうことになるだろうし｣

『....んだよ』

｢意外に友だち思いなんだね北斗って、
大丈夫高地くんだけに迷惑掛けるとかないから、怒んないで？(笑)｣

この言葉はなぜか北斗にはスルーされてしまったけど

高地くんのことを思ってあんな不機嫌になるなんて
北斗の可愛い一面を見つけてしまったみたい

『....ほら、飲みたいやつ選んで』

３人分の飲み物はもう買い終わって
いらないって言ったのに私の分のお金まで入れてくれていた北斗

さりげない優しさにまたキュンが増えた

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