恋人ごっこ。 (ページ26)

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｢に、にしても北斗も俳優感増してきたね～｣

『は？』

｢体操服の下り！不本意にもキュンとしちゃったもん(笑)｣

『....あー、そう、かも、俳優が身に染みてきたっぽいわ』

あの時だってほんの少しだけ期待した、
もしかして北斗の中で独占欲が生まれてたのかなって

今だって、否定してほしかった
だけど北斗はいつだって彼女“役”として私を見ている

｢まあでも結局プール掃除終わって制服に着替えるんだけどね～(笑)｣

『....あ、そうじゃん、忘れてた』

｢え、本気？(笑)北斗馬鹿なの？(笑)｣

『お前だけには言われたくねえ....』

｢んふふ、あーでも脱ぎたくないなー....｣

うなだれる北斗を笑ってたら口に出してしまっていたらしい心の声

北斗も私の言葉を聞くなりピクッと固まってしまった

....あ、やばいかも、

｢....あ、そういうんじゃないからね！？
寒、寒いからジャージ脱ぎたくないなってこと！｣

『....いいよ着たまんまで』

｢.....、｣

『制服の上から俺のジャージ着ときな』

｢....いいの？｣

『別に俺ジャージ使わないし』

｢ありがと、北斗｣

『ん』

ぶっきらぼうに返事する北斗にまた好きが積もる

....でも、これから今日みたいなことを何度経験するんだろう

期待してはショックを受けて、また期待してはショックを受けて....

理解していたつもりではあったけど、
やっと本当の意味で、愛花が言っていたことが分かった気がした

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