恋人ごっこ。 (ページ12)

今日:155 hit、昨日:73 hit、合計:434,415 hit

12 ページ12

・

それから教室に戻るまでも痛いほどに感じる周りの視線

北斗は気にする様子もなく、というよりは
そんな周りの様子に面倒くさそうにしているだけ

私とのことが広まる方が余計面倒になっちゃわないのかなって思ったりもするけど

複雑ではあるけど北斗が私を頼ってくれたのが何より嬉しくて

『じゃ、また』

｢あ、うん、またね｣

１年の教室がある階まで下りてきてそれぞれ教室に戻る

私は１組で北斗は６組だから教室の位置は端と端、
正反対の方向に向かって歩く

なんとなく立ち止まって振り返ってみれば

｢.....え、｣

北斗も壁にもたれかかってこっちを見つめていた

もしかしてこういうのも彼氏オプションってこと.....？

ニヤけてしまいそうな顔を隠しながら手を振ると
いかにもだるそうにシッシッって手を払うような動作を見せてきた

その一連の様子に、また外野からの声は聞こえてきたけど
今の私はそれどころではない

普段とは違う北斗の姿に喜びを隠しきれず
スキップすらしながら教室へと戻っていった

さっきまでは複雑でたまらなかった北斗との恋人ごっこ。

....意外にいいかもしれない

・