恋人ごっこ。 (ページ49)

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楽しみがある日は早起きしてしまう

.....なんてこと私にはないことで

普通にだらだら寝て目覚めたのは昼過ぎくらい

北斗との待ち合わせは１７時だしまあちょうどいいくらいの起床だろう

『あんたはほんとに夏休み早々こんな時間まで寝て』

｢うるさいな～休みなんだからいいじゃん｣

私のお母さんは専業主婦だからずっと家にいる

文句を言いつつわざわざ起こしにこないお母さんは優しいなとは思う

『ほっくんなんか普通に早起きしてたわよ？
朝ゴミ捨てのタイミングが一緒になって』

｢北斗は生活リズムがおじいちゃんだから｣

急に会話に出てきた北斗の名前にビクッとなるけど平然を装って

｢今日、浴衣の着付けお願いね｣

『はいはい、にしてもほっくんと行くなんて珍しいわね』

｢....なんかその場の流れでそうなっただけ｣

小学校のうちは北斗のどこが好きって毎日のようにお母さんに言ってたっけな

それも北斗との距離ができてからはなくなったけど

それ以来お母さんに好きな人の話をすることもないし
北斗の話をする機会も減ったけどきっとお母さんのことだから

私がずっと北斗のことが好きなんてのは気付いてないわけがない

ほら今だって

｢....ニヤニヤしないでよこわいなあ｣

『めいっぱい可愛くしなきゃね？』

私よりワクワクしてるお母さんの姿があるんだもん

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