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慎太郎side
どんな母親だとしても自分の娘のことを心配しない親なんていないと思っていた
だからこれ以上の行き場をなくしたあの夜、
Aの家に比較的近い場所にある海に最終的に辿り着いた
Aのことが心配でたまらない、どんなことからも守ってあげたい
その気持ちはもちろんある
だけど今なら何か分かり合えることがあるんじゃないかって
…今考えれば能天気すぎる思考をもっていた
『あれ、今日来てねえのな』
「…ああ」
あの日、夜が明けてすぐにAを家まで送り届けた
「また学校で」と言えば
同じように『また学校でね』と微笑んだA
だけどその日、Aに学校で会うことはできなかった
その次の日も、またその次の日もAの姿は学校になくて
『なんか聞いてんの?Aちゃんから』
「……」
それはもう樹が気に掛けるほどだった
“陽が昇ったとき、いなくなってたらどうする?”
ふとしたときにこの言葉、あの時の表情が容易に頭に浮かんで
自分がした行動が果たして正解だったのかって問いただされる気分になる
妙な罪悪感のせいなのか、
Aに連絡をとることも会いに行くこともできないまま
久々にAの姿を見ることができたのはそれから一週間経ってからだった
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時