破滅 07 ページ8
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教室に戻ると、ニヤニヤと笑っている深夜がいた。
「お疲れ様」
「……いえ」
「で、Aから見て一瀬グレンはどう映った？」
どうやら、今日の授業で起こったことの感想を聞かれているようだった。
深夜は昨日(私と深夜が互角の勝負をした日)以来、私の能力を買っているようだった。買いかぶりすぎだ、と思う。
「そうですね……深夜様が思うほど、強くないのかもしれません」
「そうかなぁ。僕はまだ、彼が実力を隠していると思うのだけれど」
「それは私も同意です。深夜様の攻撃を彼は簡単に避けることが出来たと、私は思います」
「へぇ、それは僕が実力不足だって言いたいの？」
「そういう訳ではないですが」
「あはは、ごめん。ちょっと意地悪しちゃった」
……なんだこいつ。
ダメだダメだ。イラついたら相手の思うつぼだ。ちゃんと抑えなければ。
「……とにかく、これ以上彼を揖斐っても仕方ないかもしれません。きっと卒業まで隠し通すつもりですよ」
「ま、そうだろうね。あの攻撃を避けずに受けちゃったからね」
私にとっては一瀬グレンよりも貴方の方が怖いし脅威になりうるんだよなぁ、と思う。
もちろん一瀬グレンに全く恐怖がないかと言われたら嘘になる。あれもあれで怖い。正直関わりたくない。
でも、接触しなければいけなくなりそうだ。
―――
一瀬グレンの鞄を持って、医務室へ向かう。
きっと彼の従者が取りに来るだろうが、敢えて持ち出した。彼と話す口実を作るために。
―――コンコン
静かな廊下に扉を叩く音だけが響く。
しばらくしてから、中から『どうぞ』と声が聞こえる。
「失礼します。調子はどうですか？一瀬グレン」
「……これはこれは。二医A様。どうしましたか？」
「ああ、演技はいらないです。気持ち悪いので」
「演技では……」
「じゃあいいや。敬語と様付けを取ってください。
これでいいですか？」
一瀬グレンは顔色を変えることなく、分かったと言う。思っていたより素直だ。
「単刀直入に聞きます。貴方、本当は強いでしょう？」
「そんなことは……」
「まぁ素直に『強いです』と言うとは思ってませんので、大丈夫です。代わりと言ってはなんですが、こんな物を用意しました」
そう言って、私は深夜と彼が闘った時の映像を見せた。
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なな - 新しいのが気になります 更新頑張ってください。 (2021年12月27日 18時) (
レス) @page15 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
たべっ子どうぶつ - 面白かったです!深夜様大好きなので、読んでいてドキドキしました！これからも更新頑張ってくださ応援しています(^^)い。 (2021年8月14日 18時) (レス) id: 943a308abb (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 最高です…！更新大変かもしれませんが，頑張ってください！ (2021年4月6日 15時) (レス) id: d19ff0bf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むらくも | 作成日時：2021年3月9日 16時
