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破滅 05 ページ7

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 次の日。
 またもや喧嘩をしている十条と五士。
 しかし、今日はいつもと違っていた。
 深夜が一瀬グレンに勝負を仕掛けたのだ。
 実力を測りたいからって、こんな場でやらなくても……と思うが、こんな場でなければ出来ないか。
 私は遠くで高みの見物をしていよう。一瀬グレンの実力は気になるが、彼が仮に素晴らしい力を持っていたとしても別に関係ない。彼一人では何も出来ないから。

「うるさい、いいから相手しろよ」

 と深夜が言うと同時に彼は殴り掛かる。拳に呪詛がうずまく。あきらかに、鬼神を呼び出し自分に宿す、神懸(かみがか)り法のなにかをかけている。
 あれ、まともにくらったら結構な怪我になるよなぁ。
 それでも、一瀬グレンは動こうとしていない。しかし、攻撃が見えていない訳では無さそうだ。彼の顔が苦悩に歪む。

「ぐぁっ」

 そして、あっさり胸で、くらった。
 肋骨何本かもってかれてそうな音がする。

「うっそ〜。おまえ、どんだけ強情なの?それとももしかして、本当に弱いのか?」

 などと言っている深夜を無視して、一瀬グレンに近づく。
 彼の怪我はなかなか酷かった。すぐにでも医務室に運び込まないと出血多量で死にそうだ。
 誰もが、ニヤニヤと笑っている。その光景に、十条が腹をたてる。

「一瀬。生きてる?」
「……あ」
「意識はまだあるのね。……私が連れてく。十条さん、医務室へ連絡お願いできますか?」
「は、はい!分かりました」

 十条が、医務室へ向かって走り出す。
 どうせ担任は何もしない。いや、私が動いたことによって、動かざるを得ないから動くだろうけど。

「に、二医さん。私が連れて行きますので……」
「生徒が死にそうなのにニヤニヤ笑ってるクソみたいな教師がか?笑わせるな」

 と、吐き捨てるように言う。
 あ、と教師が黙り込んでしまう。
 さすがにかなり身長差のある男を持ち上げられるはずもなかったので、簡単な呪符で身体強化をしてから彼を医務室まで運んだ。

「はぁ、君がバカなのかクズなのか、分からないなぁ」

 私は、誰にも聞こえない、小さな声でそうつぶやいた。

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なな - 新しいのが気になります 更新頑張ってください。 (2021年12月27日 18時) (レス) @page15 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
たべっ子どうぶつ - 面白かったです!深夜様大好きなので、読んでいてドキドキしました!これからも更新頑張ってくださ応援しています(^^)い。 (2021年8月14日 18時) (レス) id: 943a308abb (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 最高です…!更新大変かもしれませんが,頑張ってください! (2021年4月6日 15時) (レス) id: d19ff0bf1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むらくも | 作成日時:2021年3月9日 16時

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