Prolog ページ1
.
《第一渋谷高校》
今日から私が通う高校だ。
それは、『帝ノ鬼』と呼ばれる、日本でも有数の宗教組織が管理運営している。
もちろん、表向きは普通の高校ということになっている。生徒や教師のほとんどは『帝ノ鬼』に所属し、その教えを信奉している者たちだ。
そして、私もその1人である。
日本中にいる『帝ノ鬼』の実力者たちをよりすぐりだけが集めらている、エリート校。
それが第一渋谷高校の実態だった。
「はぁ、しんどい」
これから習う内容がどんなものかは分かっていないが、きっともう教わっていることが大半だろうし、何より知識はあっても……。
と、そこまで考えて校門方向から微量の殺気を感じる。思わず、目を向けてしまう。
「……」
校門には、白髪の男が立っていた。
あー、見たことある。すっごい見たことある。ああ、ええと、確か……。
「……柊深夜様」
「はーい？何？」
にっこりと笑ってこちらを見てくる。
貼り付けたみたいだなぁ、なんて思いながらこちらも外面を貼り付ける。
「いいえ、挨拶させて頂こうとおもいまして。おはようございます」
「うん、おはよう。二医A」
「……あら、私の名前をご存知で？」
「そりゃあね。柊に仕える名家の次期当主候補だから」
ピクリ、と眉が動くのがわかる。表情が、動いてしまう。
深夜は、それを見逃さなかった。
「あはは、表情が変わった。嫌悪？憎悪？それとも……」
「申し訳ありません、深夜様。それ以上の詮索は控えていただけると」
「……」
フッと深夜が鼻で笑う。バカにしたような笑いではなく、全て見通しているぞ、と。
ぺこりと礼をして去る。
「あーあ……死ぬほどめんどくさい」
はぁ、と特大ため息をつきながら、私は下駄箱の蓋を閉めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな - 新しいのが気になります 更新頑張ってください。 (2021年12月27日 18時) (
レス) @page15 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
たべっ子どうぶつ - 面白かったです!深夜様大好きなので、読んでいてドキドキしました！これからも更新頑張ってくださ応援しています(^^)い。 (2021年8月14日 18時) (レス) id: 943a308abb (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 最高です…！更新大変かもしれませんが，頑張ってください！ (2021年4月6日 15時) (レス) id: d19ff0bf1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むらくも | 作成日時：2021年3月9日 16時
