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今日が燈矢が己の炎に焼かれてしまう日なのだ。
「や、やっぱ待って！ ちょっと落ち着こう。エンデヴァーさんもいるかわかんないし……」
「いるよ！ だって、父さんはオールマイトを超える子どもが欲しいんだもん。強くなった俺を見ないわけないじゃん！」
「う……あう」
漫画でも思ったけれど、親が隠しているところを子どもは意外と見ているのだなと何だか複雑な気持ちになり、何も言えなくなってしまった。
その後も何度も説得を試みたが、「大丈夫だって！」の一点張りで燈矢と私が引き返すことはなかった。
強制的に連れ戻すことも考えたが、彼のことだ、また別の日にエンデヴァーさんを呼び出し、一人で行ってしまうだろう。
それでは意味がない。
しかし、それ以外で連れ戻す方法があるかと聞かれれば無いに等しい。
私が一生懸命に連れ戻す方法を考えていても、かなり強い力で引っ張られるため足は自然と前へ進む。
徒歩で行けるくらいの距離の瀬古杜岳は、数分歩いただけで着いてしまった。
……そう、着いてしまったのだ。
「あれ……父さん？」
絶望と怨恨が渦巻く炎がうまれた地に。
いくら私という部外者が立ち入ろうと、原作通りエンデヴァーさんの姿はそこになかった。
父さん、と何度も大きな声で呼び、エンデヴァーさんを探す燈矢は、まるで迷子になった小さな子どものよう。
確か、原作ではエンデヴァーさんが来なかったことに落ち込み、涙を流すと個性が暴走しそのまま……というものだったはず。
しかし、不安ながらにもしっかりと私の右手を握っていることからして、本当にそうなるのかと疑ってしまう。
「……帰ろっか」
「……」
とにかくここを一秒でも早く離れたい私は、声を出し疲れた燈矢の手を引いて、下山しようとする。
だが、行き同様に強い力で引っ張られ、それ以上前に進むことはかなわなかった。
止まって動こうとしない燈矢の様子に既視感を覚えた私は、少しだけ屈んで俯く彼に目線を合わせる。
「えっと、燈矢？ 大丈夫？」
「…………んで」
「え？」
「……俺ただ父さんに褒めてもらいたいだけなのに。なんで、なんで父さんは焦凍ばっか……っ！」
「燈矢……」
ボタボタと大きな雫が地面にシミを作っていく。
ぎゅっと拳を握る音がやけに鮮明に聞こえた。
「父さんも、母さんも、焦凍も……！ みんなみんな大嫌いだ…………っ!!」
「……っ!?」
刹那、ぼうっと蒼い炎が燈矢から溢れ出てきた。
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紺(プロフ) - あまねさん» 返信が遅れて申し訳ありません！ コメントありがとうございます！ うわあああめちゃめちゃ字面から好きが伝わってきます嬉しいです😭もう過去編は完結しているのに、読んでくださって本当にありがとうございます！ ぜひ原作編の方も応援していただけたら幸いです！ (6月4日 11時) (
レス) id: 8116e17d8c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あああああすきいい (5月20日 9時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - いちきちゃんさん» コメントありがとうございます！わあああ外伝も読んでくださったんですか……!!ありがとうございます！3月頃から原作編スタートさせますので、もうしばらくお待ちいただけますと幸いです！ (2023年2月26日 18時) (レス) id: 8116e17d8c (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん - 原作編がめっちゃ楽しみです!待ってます!外伝も良かったです! (2023年2月26日 15時) (レス) id: bbdd29e3b1 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！ わあああ嬉しいですありがとうございます！！外伝まで！？ 本当にありがとうございます……😭原作編3月頃に開始致しますので、どうかそちらもよろしくお願いします✨ (2023年1月19日 19時) (レス) id: 8116e17d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2022年4月15日 21時
