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だとしたら、もしかして。
「私が人質にされてたのが怖かった？」
「……」
燈矢は黙ったままこくんと頷き、かと思えばまた頬に涙を伝わせた。
……私からすれば、人質にされるのなんて慣れたようなものであり全く恐怖を感じないのだが、周囲の人にとっては何度あっても慣れないし、恐怖を感じるものなのかもしれない。
つまり燈矢は私を心配してくれていたのだ。
「……あと」
「うん」
「俺、何もできなかった。父さんとか、Aにだって鍛えてもらってたのに。足、動かなかった。Aのこと、守るって思ってたのに……っ」
「…………ん？」
そうしてまた泣き出す燈矢を前に私は固まった。
守る？ 今この子、私のこと守るって言った？
ちょ、え？
不意打ちすぎる男前な言葉に、不覚にもキュンときてしまった。
急な守る宣言は心臓に悪すぎる。
顔が真っ赤に染まっているのを燈矢に悟られないよう、極自然に顔を逸らす。
「俺弱い？ ヒーローなれない？ 俺……父さんとかオールマイトとか越えられない……？」
「んなわけ」
燈矢の放った言葉の数々を全て否定したくて、背けていた顔を思わず元通りにしてしまった。
気づいた時にはもう時すでに遅し。
「燈矢は今まであってきた人の誰よりも心が強いよ。だって火傷しようが、エンデヴァーさんにストップかけられようが、一人で特訓してきたんでしょ？ それに、さっきも足は動かずとも必死に私の名前呼んでくれてたじゃん。助けようって思ってくれとったんだもん。なら、燈矢は私のヒーローじゃんね」
ひっきりなしに喋った私は、不安そうに瞳を揺らす燈矢をぎゅっと抱きしめた。
私の腕の中からは、嗚咽の交じった泣き声が聞こえてくる。
━━誰もが誰かのヒーローで、誰もが誰かのヴィランになる。
助けたその人にとっては日常の一コマくらいに小さなことかもしれないけれど、助けられた側にとってはその人がヒーローになるのだ。
「ね、だから自信持って大丈夫。私が保証する」
声を殺しながら泣き続ける燈矢の頭を撫でながら、そうっとこぼした。
いつか君が、私以外の誰かのヒーローになれますように、と願いながら。
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紺(プロフ) - あまねさん» 返信が遅れて申し訳ありません！ コメントありがとうございます！ うわあああめちゃめちゃ字面から好きが伝わってきます嬉しいです😭もう過去編は完結しているのに、読んでくださって本当にありがとうございます！ ぜひ原作編の方も応援していただけたら幸いです！ (6月4日 11時) (
レス) id: 8116e17d8c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あああああすきいい (5月20日 9時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - いちきちゃんさん» コメントありがとうございます！わあああ外伝も読んでくださったんですか……!!ありがとうございます！3月頃から原作編スタートさせますので、もうしばらくお待ちいただけますと幸いです！ (2023年2月26日 18時) (レス) id: 8116e17d8c (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん - 原作編がめっちゃ楽しみです!待ってます!外伝も良かったです! (2023年2月26日 15時) (レス) id: bbdd29e3b1 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！ わあああ嬉しいですありがとうございます！！外伝まで！？ 本当にありがとうございます……😭原作編3月頃に開始致しますので、どうかそちらもよろしくお願いします✨ (2023年1月19日 19時) (レス) id: 8116e17d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2022年4月15日 21時
