133 ページ36
.
「女子に連れていかれた」この言葉を聞いた途端に絡まっていた思考回路が解け、それしか考えられなくなった。
私は無言で身を乗り出すと、
「お、食いついたな」
とまるでそうなることがわかっていたかのように白雲がニヤけた。
逆に聞きたい。
ここまで言われて食いつかない人などいるのだろうか。
狩宮さんほどではないが、私も恋バナをキャッキャウフフと話してみたいという気持ちがあったのだ。
まあ、中学では友達が居なくて━━夏菜は恋バナに興味なし━━話せなかったが。
「女子はどんな感じだった？」
「んー、黒髪で腰まで髪が伸びてた子だったぞ。めちゃくちゃ顔真っ赤にしてたからやっぱ告白かぁ……」
なんで相澤だけなんだよォと嘆いている山田はさておき、私は相澤が告白を受けるのかどうかを一人考える。
いやまあ、あの性格からして、彼女とかそもそもの恋愛とかに興味なさそうだが。
原作では、学生時代についてあまり触れられていないので、本当に彼女がいなかったのかどうかは分からない。
しかし、なぜ急に告白なのだろう。
一目惚れとかそんな感じだろうか。
横顔がかっこいいとか笑った顔がかわ……かっこいいとか。
完全に私の妄想でしかないけど。
「やっぱあれか、体育祭見てかっこいいってなったんだろうなぁ……」
「あー、体育祭か」
なるほどなるほど、少女漫画あるあるの展開か。
今まで意識してなかった男子がかっこよく見えるという、謎の体育祭現象が起こったというわけだ。
「体育祭といえば……」
「おい、なんで私を見ながら言うんか理由を聞こうじゃないか。あれか？ タライがどうのってまだ言うんか!? くっそ、じゃけぇ体育祭の話はしたくなかったんよ!!」
「まだなんも言ってねぇよ、落ち着けよ」
確かにあれは印象が強かったと思うが、まさか「タライの子」というなんかジブリの映画タイトル感ある呼び名になるとは思わなかった。
挙句、ホークスには勘違いされて胸が痛むわ、燈矢には完全にバカにされるわで散々なものだったと思う。
「俺が言おうとしてんのはそれじゃねぇよ。……ちょっと頭に掠ったけど」
「おい」
さらっと気になることを言った白雲を軽く睨むが、本人はまるで気にせず話し始める。
「対抗戦の時さァ、やけにAに絡んでるやついなかったか？」
「……？ そんなんおったっけ」
「いや、俺も人に聞いただけで詳しくは知らねぇけど」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 632人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白狐(プロフ) - 吹雪さん» コメントありがとうございます！ そうなんです、ミッドナイトさんでした！ 吹雪さんの反応が私のして欲しい反応だったので嬉しいです！！(笑)最初は3バカ好きな女子路線も考えたんですが、重くなりそうなのでやめました(笑) (2022年8月20日 21時) (
レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - よかった…女子の先輩はミッドナイトさんだったのか…！マジでよかった…(初めは３バカ？のことがすきな女子になんかされる…！と思っていた) (2022年8月20日 20時) (レス) @page44 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - ここさん» 二度目のコメントありがとうございます！ ミッナイ先生ようやく出せました……。前々から出そう出そうと思ってはいたのですが、中々話に入れることが出来ず、パート3まで引っ張っちゃいました(笑) (2021年12月2日 0時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - イヤッフゥ！ミッドナイトせんせぇーｷﾀｧｧｧ！ありがとうございます！ (2021年12月1日 23時) (レス) @page39 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - わーい！ありがとうございます！あー絡みが好きです💘（相澤先生たちの） (2021年11月14日 19時) (レス) id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2021年7月31日 22時
