122 ページ25
.
女子トークみたいなノリで言うなよと笑いつつ、山田の言葉で何を話していたのか思い出した。
「あれだよ、職場体験の行き先」
「決まったのか!?」
「うん。エンデヴァー事務所に行くことにした」
行くことにしたというか、元々そこ一択だったのだが。
しかし、それを話せば関係性も話さなければならなくなるので絶対に言わない。
「エンデヴァー事務所……!?」
「おまっ、正気か!?」
「えー……。四人で同じとこ行こうと思ってたのによォー」
若干一名違うことを言っている人がいるが、二人の反応は想定内。
絶対に驚かれるとは思っていた。
なぜならヴィランっぽい見た目ランキング一位のエンデヴァーさんだし、私も原作知らなければ絶対に行かなかったと思う。
だって怖いし。
「大丈夫、大丈夫。これでもメンタル強い方じゃけぇ」
「そういう問題か……？」
「そういう問題」
グッと親指を突き立てて大丈夫だと示し、自分の机に置かれたままのリュックを背負う。
「なーみんなで同じとこ行こうぜー」
「いやいやもう行き先の紙提出したし」
「今からでもやっぱやめますって言ってきても遅くねぇって！」
「たいぎいわ」
「ちなみに行き先は？」
「…………決まってない。でもショータが何とかしてくれる！」
「やらん」
「なぁんでだよォ！」
なんだこの茶番は。
重たい瞼を頑張って上げながら一人そう思う。
というか、3バカは白雲の言っていたように一緒の所へ行ってもいいのではないだろうか。
いや別にその瞬間を私が見たいとかそういうことではなくて。
「あっ、なら俺らもエンデヴァー事務所に行けばいいんじゃね!?」
「…………えっ」
「いやそれはちょっと……」
「山田のメンタル崩壊するからやめてやれ」
「それはショータもだろ！」
「俺はしない。そもそも行かないし」
山田はエンデヴァーさんが怖いのかめちゃくちゃ遠慮し、相澤は相澤でもう行くところが決まっているように思える。
ただ、問題は白雲だ。
この人は言い出したら相手が折れるまで説得し続ける性格なので、こちらから説得して折れてもらうにはかなり時間がかかる。
語彙力と説得力が必要とされるので、私には無理だ。
任せたぞ、相澤。
「なんで俺なんだよ」
「だって国語の成績良さそうじゃん」
「良さそうって成績見たわけじゃねぇんだな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 632人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白狐(プロフ) - 吹雪さん» コメントありがとうございます！ そうなんです、ミッドナイトさんでした！ 吹雪さんの反応が私のして欲しい反応だったので嬉しいです！！(笑)最初は3バカ好きな女子路線も考えたんですが、重くなりそうなのでやめました(笑) (2022年8月20日 21時) (
レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - よかった…女子の先輩はミッドナイトさんだったのか…！マジでよかった…(初めは３バカ？のことがすきな女子になんかされる…！と思っていた) (2022年8月20日 20時) (レス) @page44 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - ここさん» 二度目のコメントありがとうございます！ ミッナイ先生ようやく出せました……。前々から出そう出そうと思ってはいたのですが、中々話に入れることが出来ず、パート3まで引っ張っちゃいました(笑) (2021年12月2日 0時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - イヤッフゥ！ミッドナイトせんせぇーｷﾀｧｧｧ！ありがとうございます！ (2021年12月1日 23時) (レス) @page39 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - わーい！ありがとうございます！あー絡みが好きです💘（相澤先生たちの） (2021年11月14日 19時) (レス) id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2021年7月31日 22時
